2012年3月28日水曜日

金銭問題



先週、パラグアイに一緒に来た隊員が帰国しました。おそらく世界中に散った同じ隊次の隊員の大部分は既に帰国したでしょう。

自分は引き続き、村です。パラグアイ入国から24ヶ月が経ちました。男女関係と金銭トラブルには気をつけろ、と散々言われ、またそういったことから派生する事件もいろいろと聞きました。幸か不幸か、雇用の少ない我が村では、独身の年頃の女性はほとんどいないので、男女関係のもつれに巻き込まれることはありませんでした。が、2010年8月から開始した小口融資に関して、総額約3,000USドルの満額返済となりました。協力隊のような草の根事業で、融資をするのは一般的ではないと思いますが、住民のニーズ(いずれにしても金銭的な支援はみんな欲しがりますが)と、配属先のリソースなどを照らし合わせて、融資に踏み込みました。



個々人に対する融資で、貸付上限値はこちらで決めて、月々の返済額は生産者の言い値を採用しました。無利子無担保です。今考えると、早期返済のインセンティブになる程度の利子を付けてもよかったのかな、と思います。

この小口融資を通して、草の根支援に関して感じたことが3つ。まず、援助だから、という甘えを持ってはいけない、ということ。こういう援助には付き物ですが、返済が滞納したり、返済する意志がない人が出てきます。経済的な返済能力がないのであれば、そもそも事業のやり方自体に問題があったと言えます(この見極めも難しいです)が、返済能力があるのであれば、お互いケジメをつける。融資額を返済したくないのであれば、機材を返品させることで、終了としていたので、実質リスクフリー。返済はしないけど、機材は欲しい、という態度は許してはいけない。なぜならば、しっかりと返済している人が、払い損みたいになり、結果として、彼らのモチベーションを著しく低下させるから。さらに、返済を逃れれば、援助依存になり、ますます人間として駄目になっていくし、そもそも返済すること自体よりも、返済することを通して得られる責任感と規律の方がその人にとって大事なんじゃないか、と思う。ここは違う国だから、とういのは言い訳に過ぎない。

2つ目に、ピンチはチャンスということ。人間はピンチを乗り越えることによって成長する。それは、組織も同じでしょう。返済の最後の5%の回収は、自分ではなく、融資先の組織が、組織として責任を持って回収しました。物事は最後の詰めが一番大事で、かつ、難しい。会議で対応策を話し合い、返済期限が近づくにつれ、何度も返済の滞る人と対話を持ちました。そのプロセスを通して、今までは気づかなかった組織としての問題が表面化しました。それは、会議も来ない、会費も払わない、講習会も来ない人がいる状態をそのままにしたこと。今回の資金回収で、この状態に関する直接的な不満が多くのメンバーから噴出したので、それを是正するために、組織の定款を作り、メンバーの義務と権利を明確化し、義務を行使しない人間を排除する方向性になっています。そして、会議で議論をしたり、手分けして回収することによって、組織としてのタイト感、一体感が深まったと思います。

最後に、支援する側とされる側はあくまでも対等であるということ。あなた達の経済的な豊かさを保証する事業をするのではなく、あくまでも、外部から引っ張ってこれるリソースを基に、もしかしたら失敗するかもしれない事業をやります。時間も労力も取られます。それでもよければ参加してください、というスタンス。ただ、こちとら2年間という大きな時間を割いて、遠くまで来ているので、中途半端にはやらないから、あんたたちもよろしく、みたいな。一方的に、モノを恵んであげる、という態度ではない。欧米系の援助団体はこういうスタンスのところが少なからずありますが、多様性を認め、同じ目線で物事を考えようとできるのは、日本人の強みではないでしょうか。

まとまった金額を投資可能にすることによって、生産能力にレバレッジを利かせられたことは確かなので、どうなるか分かりませんでしたが、融資システムを導入したことは結果論として、よかったと思います。細かい資金回収や個々人の支払い能力のさじ加減を測れるのは、現場に密着した草の根支援ならではだと思います。

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