2012年10月8日月曜日

Questioning Microfinance



先週、なんとなくPoor Economicsという本を買いました。貧困を心理学や人間の行動科学の視点から論じている本です。けっこう売れているだけあって、読みやすかったです。

国際協力の業界では、マイクロクレジットから始まり、マイクロファイナンス、そして、マイクロインシュアランスと、BOP向けの金融商品の開発が進み、世界中に知れ渡っていますが、この本は、マイクロファイナンスが貧困を撲滅することはない、と言っています。


著者はマイクロファイナンスに反対しているわけではなく、むしろ重要なシステムであることを認めています。途上国に限らず、人間というのは一般的に自制心が弱い生き物なんです。特に将来起こる出来事に関しては、楽観的で、その出来事に現在の行動が影響するのにもかかわらず、矛盾する行動をとる場合が多いようです。例えば、子供ができたときにかかる養育費のために、独身のうちから、こつこつと貯蓄している人はほとんどいないでしょう。わかっていても、飲みに行っちゃうんだな。先進国にはこの欠点を補うだけのシステムやサービスが存在しますが、途上国にはそのようなシステムが元々なかった。それを補ったのが、さまざまなマイクロファイナンス機関、ということでROSCAsやM-PESAといったものを紹介している。

途上国には、起業家、というよりは、ビジネスオーナーがたくさんいます。途上国に行ったことのある人なら気づくと思いますが、道を歩けば、小規模の商店が乱立しています。それは、アジア、アフリカ、南米限りません。何故か?それは就職する先がないからであり、いわば、自分のビジネスに投資することにより、お金で仕事を買っているようなもの、とこの本は言っています。

しかしながら、元々の資本は限られているし、立ち上げたビジネスから得られる収益も、さらに大きな投資ができるほどのものにはならない。参入障壁が少なく、小額の投資で始められるから、初期投資を短期間で回収でき、生きていく分くらいの収益は上がる。しかしながら、参入障壁が小さいので、同じように周りに競合がいて、需要を食い合う。だから、中長期的に見て、収益の伸びは限られる。マイクロファイナンスの顧客はこの層か、より小規模なビジネスオーナーである。一方で、成長するビジネスというのは、初期投資額が大きく、そして初期投資コストを回収するのに時間がかかる場合が多い。そして、マイクロファイナンスのプロバイダーは、そのような投資額を融資する機能を持っていない、という理論のようです。

まだ一部しか読んでないので、とりあえず以上。確かに、メジャーどころのマイクロファイナンスの融資額回収率は90%後半であって、裏を返せば、失敗する可能性のあるビジネスへの投資ができない仕組みになっているんだと思います。よりリスクの伴う投資に対しては、融資よりは、投資家に投資してもらうほうがいいのでしょう。小規模ビジネスへのインベストメントが先進国や同国内の富裕層から流れ込むような仕組みができれば、もっとおもしろい世の中になるのかもしれません、と素人目線で勝手に考えてみました。学校が始まっても、時間を見つけて授業と関係のない本を読みたいものです。

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