2014年5月30日金曜日

アブハジアにてデモ隊により自治政府大統領府を占拠

一昨日、グルジア国内のアブハジア自治共和国にて、野党率いる少なくとも千人のデモ隊により自治政府の大統領府が占拠された。根強い汚職と政府の悪政に対して不満を持った勢力が与党と交渉するためにデモが行われたといわれている。また、ロシアへの依存状態を批判する声も上がっている。

そもそもアブハジア自治共和国とはどういう場所なのか。オリンピックの行われたソチから40キロほど南に行ったところにあり、黒海に隣接している。1991年にグルジアがロシアから独立した前後から、アブハジアもロシアからだけでなく、グルジアからも独立する動きが出ていた。1992-93年にはグルジアと戦争をしていて、多くのグルジア系難民が流出した。2008年にもう一つの自治共和国である南オセチアがロシアの援護を受け、グルジアと戦争した後、ロシアはアブハジアを独立国家として認めることを発表した。一方で、国際的にはほとんどの国が独立を認識しておらず、一部の国を除き、グルジアの一部として捉えている。しかしながら、グルジアの司法・立法・行政が及ばない独立した自治政府があり、実質独立状態にあるといっても過言ではない。

人口は20万人前後と言われていて、経済的な発展もグルジアと比較しても遅れている。政府のガバナンスのキャパシティも限られているので、公共サービスが末端まで行き届かなかったり、人権侵害が問題になったりしている。

今のところは政府社屋の窓が割られる程度で、暴力行為には発展していないようだが、暴力に発展するようなことがあれば、政府をバックアップしているロシア軍が介入する可能性もなくはない。また、そうでなくても脱ロシア依存の方向へ舵を切れば、ロシアが黙っていることはないだろう。直接的には介入しづらいだろうが、様々な方法で、足並みを乱すことは可能である。しかし、実際のところ、経済、政治、軍事の側面で、ロシアへの依存状態から抜け出すことは難しいので、これも可能性は少ないと思う。

今回のデモの直接的な原因となったガバナンスの問題は様々なテコ入れが必要なので、トップが替わったとしても、大きく変わるということは残念ながら考えずらいだろうが、人々の不満がこのような形で表面化したので、デモが沈静化したとしても、行政の透明性を向上させる努力が必要である。

ソース:
http://www.reuters.com/article/2014/05/27/us-georgia-abkhazia-idUSKBN0E726B20140527
http://www.civil.ge/eng/article.php?id=27273

2014年5月23日金曜日

約1ヶ月


グルジアに来てからほぼ4週間が経ちました。といっても、先週1週間はまるまるニューヨークに研修で行っていたので、実質3週間というところでしょうか。通常、事務処理でバタバタするようですが、こちらのスタッフのおかげで、銀行口座開設、給与受け取りといったようなことも驚くほどスムーズにいっています。アパートも到着の翌々日には決め、その数日後には入居しました。週末の過ごし方はまだまだ開拓の余地ありですが、とりあえずは落ち着いています。


肝心の仕事の方は、専門内外のことに触れながら、細かい業務をこなし、徐々にメインの仕事をやっていくことになりそうです。とりあえずは、上司が不在の間に、1年間の予定を立て、それを上司が帰ってきたらすり合わせをし、その計画をベースに外回りしながら業務を組み立てていくことになります。それは、事務所の計画に沿ってシステマチックに取り組むわけですが、グルジアの文脈と専門分野に精通してきたら、より創造的なアイデアをベースにさらなる仕事を作れたらと思います。与えられた時間に限りはあるわけですが、焦らず着実に足場を築いていきたいと思います。


2014年5月9日金曜日

公共機関


グルジアの首都トビリシは、タクシーを含む交通機関が安いわけですが、土地勘をつかむためにも、週末移動するときはバスを使っています。バスは一律約25円。乗るときにパスモのようなカードをかざして、お金を払うわけです。運転手の隣にその機械があるわけではないので、かなり頻繁に見回りの人が乗りこみ、ちゃんとみんな払っているか確認します。無賃乗車に対して、抑止力を働かせるためだと思うんですが、あまりその意味がない・・・。というのも、見回りの人は、それとわかるようにベストを着ていて、その人が乗り込んでくると、ようやく切符を買いに行く人がたくさん。さらには、その見回りの人に話しかけられてから乗車券を買う人も。それでも、罰金を払わせるわけではないので、結局、抑止力につながらない。他の国みたいに買ってない人は即罰金にすれば、見回りの頻度も減らせて、見回りする人の数も減らせてコストダウンにつながるのでは、と思いますが、もしかしたらそのあたりは社会主義の名残りが残っていて、効率よりも雇用を保つことのほうが大事なのかもしれません。グルジアの失業率は公式には15%ですが、一般の人は20%を越えると思っているらしいので。

2014年5月1日木曜日

グルジア

グルジアの首都トビリシに到着しました。印象としては、
・たいてい店に一人は英語が話せる人がいる(たぶん首都だから)
・車の運転が荒い
・まだ肌寒い
・日本人の感覚からすると、見た感じ古びた建物が多い(必ずしも実際に古いわけではないらしい)
・喫煙率比較的高い(女性も多い)
・雨降ってもあまり傘ささない
・Wifiがかなり普及している
・柔道と、意外にも相撲はけっこう人気らしい
・日本に対してはいい印象

それはいいとして、肝心の仕事の方ですが、(低)中所得国なので、今まで自分が働いてきた国よりは比較的経済的には豊か。政府が政策を実行するキャパシティもあるという認識のようなので、プロジェクトマネジメントはほとんどなく、政策に関する仕事がほとんどのようです。

一方で、国としての背景は、主に2つあると考えられる。2003年のバラ革命以降、比較的順調な経済成長を果たしているが、その一方で、その経済成長の貧困層削減へ寄与がきわめて限定的である。それは自由主義的な市場経済を推し進めた副産物であるとも考えられ、それもあり2012年に03年から続いたサーカシュヴィリ政権が陥落した(ロシアを敵対視し、それによる市民生活への負の影響が大きかったことも大きな要因の一つだが)。よって、新政権は、自由主義経済一辺倒の政策を改め、社会政策の改革に乗り出した。

また、グルジア政府は欧州寄りのスタンスをとっていて、ゆくゆくはEUやNATOへ加盟することを目指している。一方で、そのためには改善しなければならない要因があり、その中の一つに人権問題に着手するということが挙げられる。それは国の司法制度の透明性や、法の執行力、脆弱な人々の権利などあり、自分が関わる部分としては、子供の権利、特に子供の貧困を包括的に削減することにある。

そういった背景の中で、社会政策改革に乗り出したわけだが、その改革を素早く推し進めようとしているために、その検証が不十分な場合が多いようだ。そこで、新しい政策を導入する段階で、国際機関が他国の事例やエビデンスを基に提言をしたり、場合によってはM&Eを行ったりする。いずれにしてもいろいろなステークホルダーからヒアリングを行って、行動していきたいと思います。

2014年3月24日月曜日

私の業務?


グルジアに行く、と言うと、「どこそれ?」という質問の次に「何するの?」という質問がきます。プロジェクト単位で派遣されるわけではないので、具体的な業務については現地に行ってからになりますが、子供の貧困状態の改善を行います。貧困の削減のためにグルジア政府は社会保障制度を実行しています。特に、貧困層に対象を限定した社会扶助制度を行っており、その制度が対象とする貧困層をカバーする割合を上げることが直近として必要となっています。そのためには、適用比率が現在の数字である原因を探る必要が出てきます。それは、貧困層が比較的多い、地方部における行政機能のキャパが足りないのか。それとも、対象となる世帯へ情報がいきわたっておらず、対象となっているにもかかわらず、制度適用の申請が行われていないのか。そもそも、低中所得国であるグルジアの統計の数字は信用していいものなのか。

また、とりわけ子供にフォーカスする理由としては、世帯別の全世帯に占める貧困層の割合よりも、子供のいる世帯の方が貧困層に陥る割合が高く、更には子供の総数に対する貧困層にいる子供の割合はそれよりも高くなっているからです。そのことにより、社会保障制度が子供の貧困に与える影響にフォーカスする妥当性があるわけですが、加えて、幼いころに培った人的資本(知識、技能、健康など)は、その後の人生の長い期間にわたって、個人の経済状況へ影響する、ということが分かっているので、その点においても、子供に重点を置く必要性があると言えます。

もちろん、貧困において、経済的な豊かさは一つの要素であって、医療サービスを受ける機会、教育を受ける機会、社会的包摂など、様々な要因において多角的にアプローチする必要がありますが、今回のポジション(社会政策)においては、まず社会保障制度に関わる仕事をすることになりそうです。

P.S. 上の写真は、が~まるちょば(გამარჯობა:グルジア語で「こんにちは」の意味)というサイレントコメディーのコンビですが、なんと日本人!コンビ名の由来はグーグル検索してください(笑)

2014年3月4日火曜日

グルジアから見るクリミア半島情勢

                                                                                                 <http://www.georgianavi.com/southossetia.html>
現在BBCを見てもCNNを見ても、トップはウクライナのクリミア自治共和国の話題で一色です。親ロシア派のヤヌコビッチ大統領が議会の可決により辞職に追い込まれてからというもの、ロシア系の住民が多くいるクリミア自治共和国では、ロシア軍のプレゼンスが増し、欧米諸国から批判されています。そして、ロシアのプーチン大統領は、議会で、情勢によってはウクライナ国内で軍隊を使用する許可を得ました。それにより緊張感は高まったわけですが、元々クリミア自治共和国にはロシア軍が駐留していたはずですが、何故、今になって批判されているのでしょうか。メディアによっては、第二のグルジアになるのではないか、と報じていますが、そもそもグルジアでは何があったのでしょうか。

2014年2月27日木曜日

勉強会


先日、友人がやっている勉強会でプレゼン(お話?)をしました。毎月いろいろな方が講師として話をしているのですが、参加者は大学生から社長までいて、年齢や専門分野も様々。もちろん事前にどのような話をするか、ということは知らせるわけですが、具体的に何を期待して参加するのかは分かりません。

自分としては、最近アウトプットする機会が少ないので、アウトプットの機会を設け、アウトプットからの学びを得る、ということと、そして、自身の知識や経験を自分よりも若い世代へ伝えていく、ということを念頭に、お話をする機会を受けました。

テーマは、自身の専門分野(途上国開発)の話をしようとは思っていたのですが、具体的な内容がなかなか決まりませんでした。当初は1時間ディスカッションをしようかと思っていたのですが、よく考えると、おそらく参加者の当該分野の知識がバラバラなので議論が成立しない可能性が高いんじゃないか、と推測しました。そして、平日の夜に来るわけなので、何かしら魅かれてくるんでしょうが、具体的には何に興味をもってくるのか、その辺りがいまいち読めない。結局、知識や情報を吸収してもらうというよりも、実際の現場での経験をベースに自身が感じた価値観の違いやちょっとした工夫をシェアし、そこから普段とは違うシーンからそれぞれの気付きをもって帰ってもらおうということにしました。なぜならば、知識や情報は本や講義などで得ればいいわけであって、そういうものから得づらい事を話したほうが、おもしろいのかな、と思ったからです。

ということで、直近の現場経験ということでパラグアイでの協力隊の活動の話をベースに、何をしたか、という話に加えて、日常や活動の中で感じたことや、気付いたことを多めに盛り込み、話を構成していきました。

実際に蓋を開けてみると、大学生が多く、自己紹介とともに何故参加したのか、ということを最初に話してもらうと、どちらかというといろいろな国に行っていた事に興味を持ち、文化の違いなんかを知りたい、ということが多かったので、現地の日常生活で驚いたエピソードなんかをいれ、よりざっくばらんに話をしました。

結局、アウトプットした自分が一番勉強になったのかな、と思います。そして、普段あまり接することのない人たちと接することができて、いい機会になりました。

2014年2月14日金曜日

JPO

昨年末外務省が実施するJPO試験に合格し、現在派遣待ちです。今年度から、ad-hocという制度ができ、国連機関の側から候補者を推薦し、その候補者を外務省で選考すると、という枠ができました。自分の場合は、たまたまインターンシップをやっている最中に話が回ってきました。といっても、インターンシップをやっていた国とは違う国の事務所からの話なので、まず現地事務所の所長と面接を受けました。そして、その後、外務省と面接を受け、年末に無事合格となったわけです。結局選考の順序が逆になっただけのようですが、JPOは競争率もそこそこ高く、何百の応募書類に埋もれなかった点では、有利だったのかもしれません。修士の学位が正式に取れたのが昨年の11月ごろで、今年度は一般のJPOの応募はできず、日本帰国後は職探しをする予定だったので、こういう話がまわってきてラッキーだったのかもしれません。他のad-hoc制度の合格者は、UNVとして働いている事務所で、契約形態をUNVからJPOへ変更し、引き続き同じ事務所へ派遣される方が多いようです。

というわけで、昨年末に無事合格となったわけですが、それからなかなか書類が進みません。通常、赴任先が決まってから、実際の赴任まで2-3ヶ月かかるらしく、そう考えると、特別遅い、というわけでもないようです。それにしても赴任日くらいは早くはっきりさせたいものです。

今は日本を堪能(!)しています。